第11章:AI権限と自動復旧

この章で分かること

  • L0〜L5の定義と、昇格条件
  • Human-in-the-loop の意味
  • 自動化判断のチェック質問
  • 高リスク操作の扱い
  • ロードマップPhaseとの対応
たとえ話

車の運転支援レベルに近いです。ナビ(提案)→ 駐車支援(限定)→ 条件付き自動。
MCP接続はエンジン配線なので、メーター監視(読取)とアクセル(実行)を分けます [S15][S16]

AI権限レベル · ソース: ../diagrams/ai_authority_levels.mmd
%% AI権限レベル L0〜L5
flowchart TB
  L0["L0 参照のみ\nログ検索・要約\n読み取り専用"]
  L1["L1 分析・提案\n原因候補・次の確認\n実行しない"]
  L2["L2 成果物作成\n報告書・修正PR・手順案\n人間がレビュー"]
  L3["L3 低リスク操作\nCI再実行・診断取得\n対象を限定"]
  L4["L4 承認付き本番操作\nロールバック・再起動\n明示承認必須"]
  L5["L5 条件付き自動復旧\n検証済みの限定操作\n厳格なガードレール"]

  L0 --> L1 --> L2 --> L3 --> L4 --> L5

  NOTE["上に行くほど権限大\n影響範囲・可逆性・データ破壊可能性で判定\n原則: まずL0/L1から始める"]

  L5 -.-> NOTE

  style L0 fill:#0f766e,stroke:#99f6e4,color:#fff
  style L1 fill:#0f766e,stroke:#99f6e4,color:#fff
  style L2 fill:#1d4ed8,stroke:#93c5fd,color:#fff
  style L3 fill:#a16207,stroke:#fde68a,color:#fff
  style L4 fill:#c2410c,stroke:#fdba74,color:#fff
  style L5 fill:#991b1b,stroke:#fca5a5,color:#fff
図が見えないときのテキスト版
L0参照→L1提案→L2成果物→L3低リスク→L4承認付き本番→L5条件付き自動

1. レベル定義と昇格条件

Lvできること昇格してよい条件
L0参照のみログ検索常に開始点
L1分析・提案原因候補反証付き出力が習慣化
L2成果物PR・報告書人がレビューする運用がある
L3低リスク操作CI再実行allow listと監査
L4承認付き本番ロールバック明示承認・タイムアウト・ロールバック手順
L5条件付き自動限定再起動成功実績・即停止・被害限定

2. 自動化チェック質問(実行前)

影響範囲/可逆性/データ破壊/セキュリティ/PII/ロールバック/テスト/過去実績/承認者/実行後検証/タイムアウト/二重実行防止/停止条件/監査証跡——全部が埋まらないなら実行しない

高リスク例: DBスキーマ変更、データ削除、認証・権限変更、決済、PII処理、FW、本番秘密、広範囲デプロイ、自動マージ後の本番反映。
NIST AI RMF はリスクを見える化し管理する公的枠です [S09][S10]。 本資料は AI RMF 1.0(2023-01) を参照します。公式サイトは改訂プロセス中であるため、適用時は最新の入口ページも併記確認してください(確認日 2026-07-14)[S09]

3. Phase対応

権限はロードマップの後ろに置く
P3=L0 / P4=L1 / P5=L2 / P6=L3 / P7=L4 / P8=L5
運用担当者実行ツールのallow listを管理する
PGAI生成PRはレビュー・テスト後に扱い、自動本番反映しない
SECI/CDと本番操作の権限・承認境界を分離する
PMLv昇格の出口条件を会議で確認する
経営層「自動化率」単独KPIを追わない

ふりかえり

  • 自社の最高レベルは何か
  • そのレベルに監査ログがあるか
  • L5を目標にしていないか(多くはL3〜L4で十分)