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全社員

第01章 全社員向け AI 安全の基本

AI 初心者でも理解できる表現で、送ってはいけない情報・シャドー AI・詐欺対策・社内の 3 つの約束を説明する。

主な読者: 全社員PMPGSE

この章の読み方 — まずここから

AI ツールを仕事で使うすべての人向けの章です。専門用語はできるだけ使わず、「何をしてはいけないか」「困ったとき誰に聞くか」だけ覚えれば大丈夫です。

30 秒で覚えること: 社内の決まりどおりの経路(LLM ゲートウェイ)を使い、顧客名・パスワード・個人情報は AI に入れない


AI チャットは「社外の相談相手」に話すのと同じ

ChatGPT や Copilot などの生成 AI は、とても便利な「文章やコードを作ってくれる助手」です。ただし、裏側ではインターネット上のサービスにあなたの入力が送られます。

たとえ意味
電話で友人に相談相手に内容が伝わる
社外の知り合いにメール相手が覚えている可能性がある
AI チャットに貼り付け入力内容がサービス側に届く(学習に使われない契約でも、送信そのものは発生)

だから「誰にも見せないメモ」をそのまま貼るのは危険です。


送ってはいけないもの(覚えやすい 5 つ)

#送らないものなぜダメか
1パスワード・API キー漏れるとシステムに侵入される
2顧客の本名・社名・案件の詳細契約違反・信用問題
3個人情報(電話番号、マイナンバー、住所など)法律・社内規程違反
4未公開の経営情報(M&A、決算前の数字など)情報漏洩
5他人のメール・チャットの全文プライバシー侵害

迷ったら 送らない が正解です。「たぶん大丈夫」は避けてください。


送ってよいことが多い例


シャドー AI とは — 個人で勝手に契約したツール

「会社の許可なく、自分で ChatGPT Plus や個人 API キーを仕事に使う」ことを シャドー AI と呼びます。

個人契約の問題会社にとってのリスク
請求がバラバラコストが見えない
ログが残らない漏洩しても追えない
契約がバラバラデータが学習に使われる可能性

便利だから個人アカウントで…は、後から会社全体で困るパターンです。社内ゲートウェイ経由(第 2 章)を使うと、同じように便利さを保ちつつ、会社が守れる仕組みに乗れます。


AI を使った詐欺に気をつける

「社長からのメール」「緊急の振込依頼」など、AI で作られたそれっぽい文面が増えています。

見分けるコツ行動
いつもと違う口調・急ぎすぎそのメールのリンクは開かない
送金・パスワードを求める電話や対面で本人確認
添付の請求書が不自然経理・上司に確認

AI そのものが悪いのではなく、悪用される側面がある、と覚えておいてください。


社内で守る 3 つの約束

  1. 決められた経路を使う — 社内 LLM ゲートウェイ・承認済みツールのみ
  2. 迷ったら聞く — 上司、PM、セキュリティ、ヘルプデスク(第 17 章の連絡先)
  3. 怪しいと思ったら止める — 送信前に一度止まる習慣

ゲートウェイがあると何が変わるか(第 2 章につながる)

社内 LLM ゲートウェイ は、AI への出入り口に「改札」を置くイメージです(第 4 章の 4 つのたとえと同じ考え方)。

改札の役割あなたにとっての意味
認証誰が使ったか分かる
検査(DLP)危ないデータを送れないよう止める
ログ後から確認できる
予算使いすぎを防ぐ

技術の詳細は開発者向けの第 9 章、ルールの作り方は第 3 章を読む人向けに書いてあります。一般の方は本章の 3 つの約束だけで十分です。


ここで一旦終了 OK: 本章まで読めば、日常業務で必要な最低ラインはクリアです。以降は担当者・専門職向けです。


よくある質問(初心者向け)

質問答え
社内文書を要約してもいい?分類が「社内限定」までならルール次第。顧客データは原則 NG
スマホのアプリでも同じ?仕事用データを入れるなら、会社が許可したアプリだけ
間違えて送ってしまったすぐ上司とセキュリティに連絡(隠さない)
勉強目的の個人利用は?プライベートの話題・会社の機密は入れない(第 3 章の個人利用ガイド参照)

次に読む章

あなたの立場おすすめ
一般社員・事務・営業本章で十分 → 困ったら第 15 章の申請窓口
開発者第 9 章(IDE の設定)
ルールを作る担当第 3 章 → 第 4 章
セキュリティ・インフラ第 6 章 → 第 7 章

研修 — 確認テスト(全社員コース A)

所要 5 分。自己採点。4 問以上正解でコース A 完了。

#問題正解
1顧客の本名と案件金額を AI に貼って要約を作ってよい?いいえ(契約・信用問題)
2公開技術ブログの URL を要約させるのは?原則よい(固有名詞・未公開情報なし)
3個人の ChatGPT Plus を仕事に使うのは?シャドー AI — 社内経路を使う
4パスワードをマスクして「形式だけ」見せるのは?いいえ(送らない)
5迷ったときの行動は?送らない・PM/情シスに確認

ケース演習 — 送ってよい?(10 分)

シナリオあなたの判定模範解答
エラーログ(DB 接続文字列含む)を AI に貼るNG — 秘密情報を除去してから
社内 Wiki の公開手順書を要約OK
顧客メール全文を翻訳依頼NG — 顧客情報
「Python でリストソート」のコード質問OK

受講後アクション: 社内ゲートウェイ(または承認済みツール)の URL をブックマークし、個人 API キーを業務 PC から削除する。


v1.10 — 学習不使用でも個人情報は送らない

「会社契約で学習に使われないから、顧客データも入れてよい」は誤解です。

概念意味あなたへの影響
学習に使われない入力がモデル訓練に使われない契約・プランで保証
保持されない事業者サーバーに入力が残らない多くの場合、監視目的で一時保持があり得る

個人情報だけは、契約条件に関係なく そもそも AI に載せない が絶対条件です(第 3 章契約チェック C-9 参照)。

よくある質問(追補)

質問答え
エンジニアが DB を調べさせたとき、結果に氏名が載ると?プロンプトに書いていなくても、コマンド出力が次の推論で事業者へ送られます。必要カラムだけに絞る(第 7 章)
Issue にログを貼るときは?エージェントが読む前提で、貼る前にマスク・ダミー化(第 10 章)
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