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AI品質安定化調査

第12章:評価指標・KPI

生産性、品質、組織、インフラ運用の指標設計。

AI導入の評価では、生産性だけを見ると危険である。品質が悪化しているのに作業速度だけ上がるケースがあるため、生産性・品質・組織・インフラ運用の4軸で見る。

Knowledge 索引(PoC KPI)

週次実測は metrics.yaml に反映。PoC 想定数値は confidence: low のまま、実測後に差し替える。

AI運用ログをPoC改善へ戻す

AI品質の良否を感想で終わらせず、Human Gateで止めた理由を週次KPIの補助ログとして記録する。 着想元は Qiita: AI運用ログを週次レビューし、FAQ・CRM・承認ルールへ戻すGAS実装。GASは必須ではなく、PoC初期は手動記録でよい。

Human Gate / AI利用
  → 理由を4項目で記録
  → 週次で分類・件数確認
  → 改善候補を人間が選択
  → Git正本 / ADR / rules / FAQ / 承認ルールへ反映
  → 次週のログで効果確認
PoCで残す最小ログ
項目用途
gateどの確認点で止まったかrequirements / PR / release
human_review_reason人間へ戻した理由の分類missing_context / low_confidence / approval_rule
blocked_reason止まった事実を短く記録対象外範囲が未確定
improvement_target改善候補REQ / FAQ / CRM / ADR / rule / template
正本境界: ログと確定した改善はGit上のMarkdown/YAMLへ置く。スプレッドシートは一時集計に限り、顧客名・問い合わせ本文・機密情報を保存しない。
自動化条件: 最初の1〜2週間は手動。分類が安定してから集計だけを自動化する。改善チケットの自動起票や未入力による強制ブロックはPoC段階では行わない。

研修 — eval 設計ミニテンプレ(PoC 用)

OpenAI 等の評価設計では、目的 → データ → メトリクス → 比較 → 継続評価の順で設計する。PoC では「雰囲気でよくなった」を禁止し、第19章の中止条件と接続する。

PoC テーマ別 eval シート(コピーして埋める)
項目PR前レビュー(P-1)要件ゲート(S-1)QA観点生成(Q-1)
評価目的重大指摘の取りこぼしを減らす曖昧語・未決の検出観点漏れの削減
評価データ過去PR 10件の diff(匿名化)確定済み REQ/設計 5章リリース済み機能の観点表
合格基準人間が「有用」とした指摘 ≥ 60%曖昧語検出再現率 ≥ 80%採用観点 ≥ 50%(QA採否)
人間採点者TL / レビュー担当SE + PMQA 担当
採点頻度週次(代表 3 PR)ゲート実施ごとスプリント末
ログ保存先output/poc-kpi/ · PRテンプレoutput/gate/テスト管理ツール
自動採点ルーブリック一致(任意)曖昧語スキャン件数
継続評価スキル変更時にゴールデン再実行版間 drift 監査と併用モデル版変更時に再評価
演習3接続: 週次 KPI に「eval 合格率」を1行追加し、2週連続で基準未達なら 限定継続または中止候補(第19章 19.5b)。
参照: OpenAI — Evaluation guide · 第17章 17.0b ゴールデン eval

12.1 生産性指標

指標内容注意点
実装工数AI利用前後で比較難易度差を補正する
設計書作成時間章単位で比較レビュー時間も含める
テストケース作成時間AI生成前後で比較採否判断時間も含める
PR作成数変化を見る数だけで品質判断しない
レビュー待ち時間AIセルフレビューで短縮するかレビュアー不足との切り分けが必要
セキュリティ修正時間Autofix系導入前後で比較再スキャン合格までを見る

12.2 品質指標

指標内容
レビュー指摘件数PR前セルフレビューで減るか
重要指摘件数設計・仕様レベルの重大指摘
バグ発生件数工程別に見る
流出バグ件数本番・受入で出たバグ
手戻り件数要件・設計起因
回帰バグ件数既存機能破壊
テスト観点数異常系・境界値が増えたか
カバレッジ単体・分岐・条件
セキュリティアラート新規発生・解消数

12.3 組織指標

指標内容
AI利用率使われているか
AI指摘採用率有効な指摘が出ているか
利用満足度開発者体験
属人タスク数特定者依存が減ったか
ナレッジ登録数再利用可能な知識が増えたか
新人立ち上がり期間教育効果

12.4 インフラ指標

指標内容
手順書レビュー指摘数AIがどれだけ漏れを検出したか
有効指摘率人間が有効と判断した割合
設定ミス件数構築後・レビュー後のミス数
作業手戻り件数作業中断・やり直しの件数
IaCスキャン指摘数checkov/tflint等の指摘
planレビュー時間Terraform plan確認時間
障害一次切り分け時間アラートから原因候補整理まで
MTTR平均復旧時間
運用引き継ぎ時間新担当者が理解するまでの時間
ドキュメント更新率手順書・構成図・運用FAQの鮮度

12.5 事務・エンゲージメント指標

指標内容第9/11/18章との対応
勤怠照合の差戻し件数締め後に発覚した不整合18章 A-1:月8→3
照合工数事務担当の月次時間18章 A-1:6h→2.5h
AI不整合検出の採用率有効と判断した割合18章 A-1:72%
施策文案作成時間管理職・人事の工数18章 E-1:4h→1.5h
「参加したい」自己評価パルス前後(5段階等)18章 E-1:+0.3
周知文のネガティブ自由記述率義務感・反感の有無18章 E-1:42%→24%
電話取次・伝言不備折返し・聞き漏れ18章 PH-1:週5→1
経費差戻し率規程抵触・不備18章 X-1:18%→7%

12.6 推奨ダッシュボード

カテゴリ表示項目
AI利用AI利用PR数、AIセルフレビュー実施率、プロンプト利用回数
レビューレビュー待ち時間、指摘件数、重要指摘率、再レビュー回数
テストテストケース数、カバレッジ、失敗率、回帰テスト実施率
品質バグ件数、工程別流出、再発件数、手戻り件数
セキュリティアラート数、修正時間、再スキャン合格率
インフラ設定ミス、作業手戻り、障害切り分け時間、MTTR
事務・人事勤怠差戻し、照合工数、施策文案時間、パルス改善度

AI活用後にPR件数が増えても、レビュー指摘、手戻り、流出バグが増えているなら成功ではない。逆に、短期的にレビュー指摘が増えるのは、今まで見逃していた問題が可視化されている可能性もある。

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